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2020年5月19日 (火)

検察庁法改正案の今国会成立断念は悪しき前例になりかねない

今国会で検察庁法改正案を成立させるのを諦めるのは、政治的にはやむを得ないとは思います。反対世論が強く、無理に通そうとすれば政権へのダメージがさらに大きくなります。そうなっては悲願の憲法改正が一層遠のいてしまいますから。

ただ、野党にとってのこの「成功体験」は悪しき前例となり、決めるべきことを決められない国会に拍車がかかることを危惧します。

なぜ、悪しき前例なのか?

理由の1つは意図的にか、あるいは誤解によるのかもしれませんが、事実に基づかない反対意見に屈してしまったことです。

反対意見の主要な根拠として、検察幹部の定年延長をするかどうかが政権の裁量になると、検察が政権の顔色をうかがうようになって、捜査の独立性や公平性が歪められるということが言われています。しかし、これはおかしいです。もともと検事長以上の幹部人事は内閣に任命権があります。定年延長するかどうかで独立性や公平性の問題が起きるようなら、幹部に任命するかどうかのときにも同じことが言えるはずです。どうして定年延長だけ殊更に問題にするのでしょうか?

三権分立が脅かされるという懸念も挙げられています。でも、ちょっと思い出してほしいです。三権は行政、立法、司法ですよね。行政は内閣、立法は国会、司法は・・・裁判所(特に最高裁判所)ですね。検察は裁判所ですか? 違います。検察幹部の定年延長は三権分立の問題とは全く関係がありません。弁護士資格を持つ立憲民主党の枝野氏が知らないはずはないのですが。

東京高検検事長の黒川氏の定年延長の法的根拠を後付けするものだと言う批判もありますが、改正案が成立しても施行日は再来年4月。黒川氏には適用されません。私がニュースなどを見る限り、政府側の説明は「黒川氏の件とは関係ない」としか報じられていません。これでは「関係ないだと? 何を言ってやがる!」と反感を覚える人が少なくないのではないでしょうか。どうして関係ないのかまで報じようとしないマスコミに悪意を感じます。

悪しき前例になりかねないもう1つの理由は、ネット世論が悪用ないし捏造された節があることです。

「#検察庁法改正案に抗議します」というタグ付きの投稿が何百万件もあったそうですが、それでは何百万人もが投稿したのでしょうか? 東京大大学院の鳥海准教授の分析によると、473万件のツイートに関わった約58万8千のアカウントのうちの2%に当たる約1万2千のアカウントによるツイートが約半数を占めているとのことです。

組織的な投稿、それも日本国内からだけとは限りません。日本の政治を混乱させる目的にそういうことをやりそうな国はすぐ隣にあります。こういうものに政治が左右されるのは、検察の定年延長などよりはるかに危ういことだと思います。

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